エギングは「水温・光量・潮流」の3要素で大きく変わる釣り。まずは季節=水温、時間帯=光量変化、潮回り=潮流として整理しよう。以下はメーカー公式や大手メディアの知見を核にまとめた実践ガイドです。
1. 季節と水温:いつ・どこを・どう攻める?
春(3〜6月):産卵接岸と“大型狙い”
- 状況:冬に深場へ落ちていたアオリが、水温上昇で浅場(藻場・ゴロタ・緩いカケアガリ)に寄り産卵行動へ。目安は15〜16℃で摂餌再開、17℃超で活性UP、18℃超で産卵意識の個体増。
- タックル&エギ:風やウネリに負けにくい3.5号中心。ロッドは8.3〜8.6ft ML〜Mが基準。ダイワの解説でも秋は2.5〜3号、春は3.5号を“ソフトに”扱えるMLが汎用と明記。
- 動かし方:2回ショートジャーク→3〜6秒フォールを基本に、テンションフォールで抱かせる時間を長めに。
- 色:澄み潮=ケイムラやナチュラル、濁り・ローライト=ピンク/オレンジ系+金テープが基軸(視認・アピールの両立)。
夏(6〜8月):新子の数釣りと手返し
- 状況:20℃超で成長・回遊が活発化。新子が増え“広く・速く”がハマる。
- タックル&エギ:2.5〜3.0号でショートレンジをテンポ良く。軽量ロッド&2500番リールで疲労軽減。シマノSephiaシリーズなど“季節を問わず”設計のロッドもOK。
- 動かし方:1〜2回ショートジャーク→短めのフォール。サイトで追わせて食わせる。
秋(9〜11月):最も釣れる“安定期”
- 状況:沿岸のベイト密度が年間最大級になり、イカの捕食行動が活発化。初心者が最短で結果を出しやすい季節。
- タックル&エギ:2.5〜3.0号が基軸。ダイワの秋向け解説でも2.5〜3号中心を推奨(83ML/86ML記載)。
- 動かし方:2〜3回ジャーク→3秒前後フォールを基準に、色・フォール時間・レンジを小刻みにローテ。
冬(12〜2月):深場と“絞り込み”
- 状況:10℃前後まで下がると沿岸を離れやすい。ただし日中の暖所・水温差が出るワンド、ディープ隣接のカケアガリはチャンス。
- タックル&エギ:3.0〜3.5号のディープ系や鉛シンカーで沈下調整。フォール姿勢が安定するモデルを選ぶ。
- 動かし方:スロー+ステイ重視。ボトム付近で5〜8秒の長めフォールやステイを増やす。
2. 時間帯と光量:マズメは“変化の時間”
- 朝マズメ:夜間からのベイト接岸がピークに達し、光量上昇×潮の動き出しで捕食スイッチが入りやすい。
- 夕マズメ:減光+ベイトの再接岸で同様に反応が出やすい。
- 夜(常夜灯):プランクトン→ベイト→イカの食物連鎖が局所的に成立。秋〜初冬は特に狙い目。
→ 大手釣具チェーンの基礎記事でも、**満干の前後1〜2時間=動き出しの“チャンスタイム”**と整理されている。
実戦TIP:
- マズメ×満潮/干潮前後が重なる“二重時合”は最優先で釣行計画に組み込む。
- 日中は光を制御(ケイムラ・フラッシュ系)、夜はシルエット/夜光を主役に。
3. 潮回りと潮流:なぜ“大潮〜中潮”が強い?
潮回りの基礎
- **大潮→中潮→小潮→長潮→若潮→中潮→…**と変化し、大潮ほど潮位差・潮速が大きい。釣具チェーンの解説でも、大潮・中潮=潮が動きベイトが動く→活性UPのセオリーが示される。
釣果に効く“潮の動き”
- 大潮・中潮:潮目・払い出し・ヨレが明確で“流し込み”が効く。ただし速流は初心者に難。潮裏や反転流を狙う。
- 小潮・長潮:動きが緩いため、岬先端・堤防外向き・潮通しの良い面を選ぶ。
- 潮止まり前後:止まる直前/動き出し直後の1〜2時間が狙い目。
流し込みの実践:
45°斜め上流にキャスト→2ジャーク→テンションフォール3〜5秒で“潮に乗せて”運ぶ。ラインが“スーッ”と横に出たら抱きの合図(合わせは軽めに)。
4. 季節×潮×時間の“勝ちパターン”早見表
条件 | 狙い所 | 戦術とエギ |
---|---|---|
春(15〜18℃) | 藻場・緩いカケアガリ | 3.5号、2ショート→長めフォール、澄み=ケイムラ/濁り=ピンク/オレンジ |
夏(20℃〜) | シャローの新子群れ | 2.5〜3号、1〜2ショート→短フォール、手返し重視 |
秋(ベイト最盛) | 潮目・払い出し・常夜灯 | 2.5〜3号、色/レンジ/フォール時間を小刻みにローテ |
冬(10℃前後) | ディープ隣接の斜面 | 3.0〜3.5号ディープ系、スロー+ステイ |
朝夕マズメ | 光量変化×動き出し | “二重時合”を最優先で計画 |
大潮〜中潮 | 潮目/ヨレ/反転流 | 45°上流へ投げ“流し込み”で抱かせる |
潮止まり前後 | 止→動/動→止の1〜2時間 | 移動と打ち直しを増やす |
5. よくある“詰まり”の外し方(初心者の壁を回避)
日中に反応が薄い:フラッシュ/ケイムラで“見せ時間”を作る(Sephia等のフラッシュ系機構はデイで強い)。
風でラインが膨らむ:ロッドを風下へ倒しテンションフォールに変更。PE0.6〜0.8号/リーダー2〜2.5号を基準に。
潮が速すぎる:3.5号+鉛シンカーでフォール姿勢を崩さず底を触る時間を延長。
見切られる:フォール時間を+2秒→レンジ5〜10m移動→色替えの順でリズムを変える。
主要ソース(参考にした根拠)
- 水温とアオリイカの適温
- 「アオリイカの適水温は20〜25℃。15℃以下では捕食も停止する傾向」 → tsuri.cloud: アオリイカの適水温とは?
- 「17℃以上で活性アップ。18℃以上で産卵を意識する個体が増加」 → plus.luremaga.jp: アオリイカは水温17〜18度で産卵へ
- 「15℃未満では沿岸から離れる傾向があるため、16℃以上が釣り開始の目安」 → point-i.jp: 水温16℃以上から釣るのがおすすめ
- 「22〜25℃は接岸開始から高活性、水温25℃以上は活性低下の可能性」 → tsuttarou.net: 水温22~25℃の変化と釣り人の立ち回り
- 季節別の釣り方や適水温
- 「春は大型狙いにベストシーズン。18℃以上で浅瀬に接岸」 → duel.co.jp: 春が大型狙いベストシーズン
- 潮回り・大潮の重要性
- 「大潮は潮がよく動くためベイトも動き、アオリイカの活性が高まる」 → tsuttarou.net: 大潮はアオリイカが釣れやすい日
- 「満潮と干潮の間は潮が動く時間帯。釣猿記事でアオリイカの捕食活発と解説」 → tsuri-zaru.com: 満潮と干潮の間を攻めよう!
- 「潮の動きに順応したエギングが重要で、動き始めがチャンス」 → heat-hayabusa.com: 潮の動きに合わせて釣る
- 潮の壁(潮目など地形での活性集中)
- 「潮のぶつかる“潮の壁”にはベイトが溜まりやすく、一級ポイントになる」 → gamakatsu.co.jp: ‘潮の壁’には活性の高いイカが来やすい
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